名前がバラバラのPDF100個を、中身を読ませて全部付け直した(51分35秒・要確認ゼロ)

2026年9月4日 / 実演

scan_0010.pdf、doc00000003.pdf、20250702140451.pdf、IMG_20250731_0061.pdf。

複合機やスマホから来たままのPDFは、開かないと何の書類か分かりません。それが100個あると、探すだけで仕事になります。

今回は、それを全部開いて中身を読ませて、名前を付け直しました。100個ぜんぶ名前が付いて、要確認はゼロ。ただ、面白かったのは名前をそろえたことより、そのあとでした。

用意したもの

架空のサンプル会社(株式会社サンプル建設)の書類です。実在の取引先・顧客の情報は1件も使っていません。書類の中にも「この書類はサンプル(架空)です。実在の企業・取引とは関係ありません。」と入れてあります。

用意したもの 数
名前がバラバラのPDF 100個
うち、文字が入っているPDF 85個
うち、画像だけのスキャンPDF 15個(AIが目で読む)
中身の内訳 請求書66・納品書13・注文書11・見積書10

出した指示

音声で、こう頼みました。

このフォルダのPDFを全部開いて中身を読んで、ファイル名を付け直してください。
「日付_取引先名_書類の種別_金額」にしていただけると分かりやすいと思います。
元のファイルは消さずに、リネームしたコピーを「整理済み」フォルダとして作ってほしいです。
判別できなかったものは「要確認」フォルダにして、理由の一覧まで作ってください。

※音声で話した内容を、要点にまとめたものです。

作業の前に「この作業に最適なモデルとエフォートは何か」を聞いています。答えは「上位のモデルで、考える強さは中で十分。最大にはしないでください」でした。難しい作業ではないので、重い設定にしても時間と費用が増えるだけ、ということです。

かかった時間

全体で51分35秒でした。そのうちAIが実際に動いていたのは39分18秒で、残りは私が確認したり、追加でお願いしたりしていた時間です。

かかった時間の内訳の表。①モデルとエフォートの相談 3分11秒、②PDF100個のリネーム本体 13分57秒(うち100個のコピーが出来上がったのが11分33秒地点)、③Excelが開けない件の調査 5分46秒、④請求書シート+支払サイト 13分53秒、⑤この集計 2分31秒。下に従量課金だったらの計算があり、合計42.77ドル、1ドル150円なら約6,400円
AIが自分の記録から出した内訳です。リネームそのものは13分57秒。残りは、あとから足した「請求書の振込先をまとめて」と、Excelが開けなかった件の調査です。従量課金なら約6,400円ですが、Maxプランの中なので追加の費用はゼロでした

できあがったもの

こう変わります。

IMG_20250731_0061.pdf  →  20250520_有限会社なかむら測量_請求書_6,839,976円.pdf
20250809153524.pdf     →  20250425_株式会社みらいホーム_見積書_404,415円.pdf
左は名前を付け直す前のフォルダ。20250702140451.pdf、CCF20250709_00037.pdf、doc00000003.pdfのような名前が並んでいる。右は付け直したあとのフォルダ。20250425_株式会社ひまわり不動産_請求書_568,007円.pdf のように、日付・取引先・種別・金額が名前に入って日付順に並んでいる
左が前、右が後です。開かなくても、何の書類かが分かるようになりました。日付が頭に来るので、エクスプローラーで並べるだけで時系列になります

元のファイルは1つも触っていません。リネームしたコピーを別のフォルダに作らせています。元の名前と新しい名前の対応表(Excel)も一緒に出ています。

取引先の名前を取り出すところで、2つ引っかかりました。

1つは、書類によって取引先の居場所が変わることです。自社が出した見積書と納品書は宛先が取引先ですが、仕入先から届いた請求書と、お客様から届いた注文書は、宛先が自社で、取引先は差出人のほうにあります。行の位置で機械的に取ると、ここで自社名を拾ってしまいます。

もう1つは、個人のお客様の名前です。差出人の行が1行に潰れていて、末尾だけを取ると「佐藤 様邸」が「様邸」になりました。

できあがった100個は、どれも取引先の名前で付いています。

★名前をそろえたら、別のものが出てきました

できあがったあとに、追加でこう頼みました。

対応表と別にシートを1つ作って、請求書については相手方の振込先の情報もまとめてほしいです。
お客さんによって口座を変えられる方がいるので、変わっていないかもチェックできると思います。
請求から支払期限までの支払いサイトも1行入れておいてください。

そうしたら、当社が出した請求書11件のうち1件だけ、振込先が違っていました。口座名義はどれも同じ当社の名義で、その1件だけ銀行も支店も口座番号も違います。

Excelの請求書シート。請求書1件ずつに、取引先・請求の向き・金額・銀行名・支店・種別・口座番号・口座名義・いつもと同じかどうかの列が並ぶ。ほとんどの行が「いつもと同じ」だが、1行だけピンク色で「★ここだけ違う(ほか10件は ひなた銀行 東支店 普通 1234567)」と書かれ、さくら中央銀行 中央支店 普通 9988776 になっている
請求書シートです。ピンクの1行だけ、銀行・支店・口座番号がほかと違います。口座名義は同じです。これは私は気づいていませんでした。66件の請求書を1枚ずつ見比べる作業は、人間には向いていないところです

支払サイト(請求日から支払期限までの日数)も出しました。受け取った請求書は41日から69日、当社が出した請求書は64日から88日にばらけていました。

正直に書いておくこと

1. 「振込先が1件だけ違う」を見つけましたが、詐欺だと決まったわけではありません。本当に口座を変えられたのか、それとも別の何かなのかは、先方に電話して確かめないと決まりません。実務なら、ここで電話します。

2. PDFに書いてあるのは支払期限だけです。いつ振り込んだかは書類からは分かりません。そこは通帳と突き合わせる必要があります。

3. 支払サイトの「いつもと違う」は、この回では出していません。素材の日付をランダムに振っているので、基準になる「いつも」がないからです。本物のデータなら、ここに「いつものサイトから何日ずれたら印」を足すと使えます。

4. 名前の付け方に正解はありません。日付から始めるか、会社名から始めるか、書類の種別から始めるかは、会社のルール次第です。今回は日付から始めていますが、合わせて変えられます。

5. モデルとエフォートの助言に、私は従っていません。上で「考える強さは中で十分」と言われたのに、いつもどおり最大のまま走らせました。ですから51分35秒も約6,400円も、必要より重い設定での数字です。中の設定にしていれば、もっと短く安く済んだはずです。

6. 途中でExcelが開けなくなりました。できあがった対応表をダブルクリックしても開かなかったので、そのままAIに「開けないので調べて」と頼みました。ファイル自体は正常で、Excelから開けば中身も全部読めることを確かめてくれました。原因は、保存した直後にクラウド側がファイルを書き直している最中だったことです。エラーの切り分けまでやらせている場面は、動画でも切っていません。

この作業をやらせるべきか

スキャンしたPDFが「とりあえず保存」で溜まっている会社なら、やる価値があります。複合機から来たもの、取引先からメールで来たもの、スマホで撮ったものが1つのフォルダに混ざっている状態です。

逆に、書類管理システムに入れる時点で名前が付いている会社では、ここまでの仕組みは要りません。そういう場合はそう申し上げます。

まずは、請求書だけでも振込先を一覧にしてみてください。受け取った請求書は取引先ごとに、自社が出した請求書は自社の口座で、いつもと違うものが混ざっていないかは、並べないと気づけません。

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